移植のメリット・デメリット
移植はメリットが大きいことは確かですが私自身デメリットとなったこともありました。将来的なことを考えれば当然移植したほうがいいですが現実的にはこういうこともありうるということを知っておいてもいいもいいと思います。
メリット
移植の最大のメリットは4~5時間かかる透析をしなくていいこと。
一日24時間のうち6分の一も必要になる透析は時間を使うだけじゃなく体の負担も大きいです。これが無くなるのは移植する一番の理由と言えると思います。
次に大きなメリットとなるのは食事です。
透析中は塩分、乳製品、たんぱく質とありとあらゆる食べ物に対し制限があり水分も一日摂取できる量が決まっています。これが移植することによって、体重が増えすぎてしまうような食生活でなければほぼ何でも食べたり飲むことができます。
しかし免疫抑制剤の関係でグレープフルーツなど一部のものは食べられません。
その他の点ではデメリットでも言えることなんですが人によって違うのかなと感じました。上で挙げた内容以外にも個人によっていろいろあることは間違いありません。女性と男性でも違いはあると思います。
自分が感じたデメリット
メリットが非常に大きい腎移植でも私が感じたデメリットがありました。”長く生きる”ということを考えればこれから書くデメリットなんて全く大したことではないのですが私個人にとっては移植したことを後悔するということがないにせよ大きなショックを受けたことでした。
そのデメリットというのは、これまで十年以上続けてきたスポーツです。
移植したらもっとスタミナもついて、現役でばりばりできると思って復帰するのを楽しみにしていたのですが現実はそうではありませんでした。
腎移植というのは、どこかのページでも紹介しましたが通常肋骨で守られている本来の腎臓の場所に移植するのではなく、左右どちらかのおへその下あたり、筋肉、脂肪の直ぐ下に移植します。
触るとなんとも言えない違和感を感じることができるくらいのところに移植しているわけですから、格闘技や球技というのは非常に危険ということになります。過去にNBA選手で腎移植を受けてまたプロにもどった人はいましたがさすがに自分の親からもらった腎臓を移植した私は同じような考えを持つことができませんでした。
まだまだ20代半ばで、まわりの友達は現役でやっていた分かなりショックは大きかったです。部屋にも写真を飾ったりして早く復帰したいと思っていたのに現実はそうではなく若い自分にとっては受け止めることが難しかったのを覚えています。
退院後挑戦はしてみましたが、やはり危険と感じ引退することにしました。
これが私が感じた唯一のデメリットでした。しかし今ではそのデメリットをメリットとして考えられるようになっています。仕事に向ける気持ちがその分大きくできたことで中卒の自分でも通常のサラリーマンよりも2倍近くの年収があります。
デメリットをメリットに変えるのは自分次第、何事も考え方次第と思えるようになったきっかけとも言える経験であったと思います。